多くのマンションで修繕積立金が不足しています。

本来は、30年以上の計画期間を見込んで適正な長期修繕計画を立てるべきところですが、現段階では法的な義務がないため、各マンションを運営する管理組合に委ねられている状況です。

管理会社は、管理組合から管理を委託され、基本的には「適正な管理」という同一の目的を持っています。しかしながら、利益を求めるいち企業でもあるため、どうしても管理組合とは利益が相反する事象が発生します。

このため、管理組合側の知識面での対抗策として創設されたのが国家資格「マンション管理士」です。

マンション管理士は、管理会社側の資格「管理業務主任者」よりも難易度が高く、単にマンションの管理業務を知っているだけでなく、高度な思考力・判断力が求められているものと推測されます。

これからますます高経年マンションが増えるため、マンション管理士の需要も年々増えていくことが予想されます。

積立金が不足する理由は、業者が新築販売時に売りやすくするために低く設定し、その後も適切な値上げが行われないためだ。また最初の大規模修繕を管理会社や設計コンサルタントに任せた結果、談合などで高額になり、そこから積立金が不足するケースも後をたたない。国は19年に異例の注意喚起を出したものの、これらは民間契約であり、発注側の管理組合に知識がなければ太刀打ちできない。マンション管理士などの第三者を使うなどの対策も必要だ。

建物は老朽化・住人は高齢化…急務のマンション「2つの老い」対応に必要な視点|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 (newswitch.jp)