◆ はじめに

「総会に来る人が少ない…」
「理事会の役員が決まらない…」

マンション管理の現場で最もよく聞かれる悩みが、区分所有者(組合員)の“無関心”問題です。
特に札幌市のような大規模都市では、賃貸化率の高さや共働き世帯の忙しさなども相まって、マンションへの関心が低下しやすい状況があります。

しかし、組合員が無関心のままでは、

  • 大規模修繕工事が進まない
  • 修繕積立金が不足して財政危機に陥る
  • 防災面の備えが不十分になる

といった深刻なリスクを抱えることになります。

そこで今回は、「無関心な組合員をどうやって関心を持たせるか」について、3つの秘策をご紹介します。


◆ 秘策その1:役員を輪番制にする

◎ 「なり手不足」を解消する仕組み

多くのマンションで悩まれるのが「役員のなり手不足」です。
無関心な人に「やりませんか?」と声をかけても、ほとんどの場合は断られてしまいます。

ここで効果的なのが 輪番制。
全区分所有者に順番で役員を担ってもらう仕組みです。

◎ 輪番制のメリット

  • 特定の人に負担が集中しない
  • 「誰かがやるだろう」という依存体質を防げる
  • 一度役員を経験すると、関心が高まるケースが多い

実際に「役員を経験したことで、マンションの資産価値に直結することを実感した」という声も多く聞かれます。

もちろん、高齢者や病気などで役員を務められない方には免除規定を設けるなどの柔軟さが必要です。


◆ 秘策その2:広報活動を活発化する

◎ 情報不足は「無関心」の温床

「理事会が何をやっているのかわからない」
「自分たちのお金がどう使われているのか不透明」

こうした不信感や情報不足が、組合員の無関心を生んでいます。

◎ 広報の工夫例

  • 理事会だよりを定期的に発行
  • 大規模修繕工事の進捗を写真付きで共有
  • 支出や積立金の状況をグラフ化してわかりやすく提示

ポイントは、「専門用語を避け、できるだけシンプルに」伝えること。
専門家ではない一般組合員に対して、会計資料をそのまま渡しても理解できず、結局無関心に戻ってしまいます。

広報は「知ってもらうため」ではなく、「関心を持ってもらうため」の手段なのです。


◆ 秘策その3:時には危機感を伝える

◎ 危機を共有することが行動を促す

「まだ修繕積立金が余っているから大丈夫」
「今のままで不便がないから関心を持たなくてもいい」

こうした“現状維持の安心感”が無関心を強めてしまいます。

ここで有効なのが、あえて危機感を伝えることです。

◎ 危機感の伝え方

  • 「このままでは10年後に大規模修繕ができない」
  • 「エレベーターの交換費用が不足しており、安全性に不安がある」
  • 「修繕積立金を増額しなければ財政破綻の可能性がある」

財政危機や建物劣化のリスクを数字や事例で示すと、関心を持つ人が一気に増えます。
ただし、いたずらに不安をあおるのではなく、「対策をとれば解決できる」という前向きな提案をセットにすることが大切です。


◆ 札幌市のマンション事情と関心の持ち方

札幌市は、都市部ならではの「賃貸化の進行」「居住者の流動性の高さ」という特徴があります。
このため、「自分の住まい」という意識が薄くなりがちで、無関心問題が全国平均より強く出ている地域とも言えます。

しかし、無関心な組合員を放置することはマンションの将来を危うくすることに直結します。
資産価値を守るためにも、「関心を持ってもらう仕組みづくり」が札幌市のマンションにおける最重要課題のひとつなのです。


◆ まとめ:無関心を関心に変える3つの秘策

  1. 役員を輪番制にする
     → 経験して初めて気づく“マンション運営の重要性”を共有できる
  2. 広報活動を活発化する
     → 情報をわかりやすく伝えることで「自分ごと」に変わる
  3. 時には危機感を伝える
     → 財政問題や修繕リスクを示し、行動へのきっかけを作る

◆ 最後に:マンション管理士を活用しよう

ここまで3つの秘策をご紹介しましたが、実際に取り組むには相応のノウハウが必要です。
特に、輪番制のルール作りや広報資料の作成、財政状況の分析などは、専門的な知識がないと難しい部分があります。

そんなときこそ、マンション管理士の出番です。

  • 無関心な組合員へのアプローチ方法
  • 財政危機を「伝える」ための資料作り
  • 広報の工夫や会議運営のアドバイス

これらを専門家としてサポートできるのが、マンション管理士なのです。

もしあなたのマンションで「無関心問題」にお悩みでしたら、ぜひ一度ご相談ください。
札幌市のマンション管理士として、必ずお力になれるはずです。