「大規模修繕の資金が足りない…」
「長期修繕計画は立てていたはずなのに、積立金が追いつかない…」
こうした悩み、あなたのマンションにもありませんか?
特に札幌市のマンションでは、雪や寒さによる外壁・屋上の劣化や、融雪設備の維持管理など、寒冷地特有の修繕費用が想定以上にかさむ傾向があります。
本コラムでは、修繕積立金が不足している場合の現実的な解決策として、
- 収入を増やす(=積立金の増額)
- 支出を減らす(=無駄なコストの見直し)
という両面からのアプローチを解説します。
また、「いきなり積立金を上げるのは反対されそう…」という時に検討されがちな“段階的増額”の注意点についても触れていきます。
🔷 なぜ積立金が足りなくなるのか?
✅ 分譲当初の積立金が低すぎるケースが多い
多くのマンションでは、販売促進のために修繕積立金を意図的に低く設定しており、
将来の修繕費に対して圧倒的に積立不足に陥る傾向があります。
✅ 物価と人件費の上昇
建設業界の資材費や人件費は年々上昇しています。
さらに札幌市では、積雪・凍結対策に伴う特殊工事費用も加わり、当初の想定を超える出費が必要になることも。
✅ 修繕計画の更新がなされていない
古い修繕計画のままで、積立額だけ据え置き、実際の修繕スケジュールと乖離してしまっているケースも少なくありません。
🔶 解決策は「収入UP」か「支出DOWN」
🟩 方法①:収入を増やす(=修繕積立金の増額)
最も直接的な手段が、修繕積立金を見直し、月額を増額することです。
長期修繕計画をベースに、将来必要な費用から逆算して必要な金額を設定します。
🟥 方法②:支出を減らす(=無駄なコストの削減)
「まず削れるところはないのか?」と支出の見直しを行うことも非常に重要です。
住民にとって、増額は負担。
“支出削減の努力なしに増額だけ求めても納得されない”というのが多くの理事会の悩みです。
📌 よくある支出見直しポイント
項目 | 見直し内容の例 |
---|---|
点検・清掃契約 | 頻度が多すぎないか?同業務が重複していないか? |
管理会社との契約 | 委託内容に対して適正価格か?見積もり比較したか? |
修繕工事費 | 相見積もりを取ったか?仕様が過剰ではないか? |
保険料 | 補償内容は実態に即しているか?割高契約ではないか? |
札幌市特有の「除雪費」「凍結防止設備の維持費」なども、見直し余地がある場合があります。
🔷 積立金増額の“合意形成”は、段階的なアプローチも有効だが…
✅ 一気に上げる vs 段階的に上げる
急な負担増を避けるために、数年かけて段階的に積立金を引き上げる方法は、住民の理解を得やすく、実際に採用している管理組合も増えています。
📊 例:70㎡の住戸で月額6,000円 → 10,000円にしたい場合
年度 | 積立金(月額) |
---|---|
初年度 | 7,000円 |
2年目 | 8,000円 |
3年目 | 9,000円 |
4年目 | 10,000円 |
こうしたアプローチは“受け入れやすさ”の観点では効果的です。
⚠ ただし要注意!管理計画認定制度では“段階的増額”は評価が下がることも
段階的な積立金の引き上げは、資金計画としては不安定と見なされる場合があります。
たとえば、国が推進する「マンション管理計画認定制度」では、
- 現時点での積立額が適正水準に達しているか
- 将来の修繕に対して資金が確保できているか
といった“現状ベース”での安定性が問われるため、段階的な引き上げ中のマンションは認定を受けにくくなるリスクがあるのです。
📌 認定制度とは?
「マンション管理計画認定制度」とは、地方自治体が管理状態の良いマンションを公式に認定し、将来的な資産価値維持や住み替え支援の評価指標として活用する制度です。
札幌市でも制度活用の動きが広がっています。
🔶 だからこそ“積立金の根拠”と“戦略”が大切!
住民にとっては、「なぜこの金額なのか?」「他に節約の余地はないのか?」が気になるところ。
だからこそ、以下の3つのステップが大切です。
✅ ① 長期修繕計画の見直し
- 修繕内容や時期、見積もりの精度を上げる
- 修繕周期の適正化や優先順位の整理で、不要な支出を削減
✅ ② 支出項目の精査
- 管理会社・業者との契約を見直す
- 点検・清掃・保険・光熱費等、コストの棚卸し
✅ ③ 根拠に基づく積立金試算
- 過去実績+最新相場を反映したシミュレーションを実施
- 説明資料で住民にわかりやすく提示
🔷 ここでマンション管理士の出番!
「計画見直しってどうやるの?」
「住民にどう説明すれば理解される?」
そんなときは、マンション管理士の知識と経験が役に立ちます!
🧩 管理士ができること
内容 | 詳細 |
---|---|
資金シミュレーション | 長期修繕計画から積立必要額を逆算 |
支出見直しアドバイス | 契約書・仕様書から無駄を抽出 |
住民説明サポート | 総会資料・説明会資料の作成と同席支援 |
合意形成のファシリテート | 反対意見の整理や説明のサポート |
制度活用支援 | 管理計画認定制度への対応アドバイス |
札幌市内には、地域の事情に詳しい管理士も多数在籍。
寒冷地ならではの支出構造や物件特性にも即したアドバイスが可能です。
✅ まとめ:積立金不足は“戦略的に”解決しよう!
- 修繕積立金が不足しているなら、収入UP(増額)か支出DOWN(見直し)が必須
- いきなり増額はNG! まずは支出の見直しを住民に示すことで合意を得やすくなる
- 段階的な増額は効果的だが、制度評価(管理計画認定など)ではマイナスになる可能性がある
- 専門家=マンション管理士の力を借りれば、データに基づいた提案と住民説明が可能!
📣 札幌市のマンション管理組合・理事会の皆さまへ
「積立金をどう見直せばよいかわからない」
「住民の理解を得ながら進めたい」
そんなときは、ぜひマンション管理士にご相談ください。
戦略的な見直し・住民合意形成・制度対応までトータルでサポートします。
積立金不足は、ただの「お金の問題」ではなく、
あなたのマンションの“未来の価値”に直結する課題です。
一緒に、賢く・無理なく・正しく解決していきましょう。