「見積もりは3社分取ったから問題ない」
「管理会社が選んでくれた業者だから安心でしょ?」

――その“相見積もり”、本当に信頼できますか?

札幌市内でも多くのマンションで、「とりあえず相見積もりは取った」という安心感が先行し、内容をよく確認せずに発注してしまうケースが後を絶ちません。
しかし実際には、見積もりの“取り方”次第で、その効果も透明性もまったく異なるのです。

今回は、マンションの理事会や管理組合が「見積もりを取っているから大丈夫」と思い込んでしまうリスクと、真の意味での“比較・検討”を実現する方法について、マンション管理士の視点から解説します。


🔷 そもそも「相見積もり」とは何か?


✅ 複数社から見積もりを取ることで“価格競争”を促す

相見積もり(あいみつもり)とは、
同じ仕様・条件で複数の業者から見積書を取り、価格・内容・納期などを比較することを指します。

これにより、

  • 適正価格が見えてくる
  • 業者間で競争が生まれ、コストダウンが期待できる
  • 不必要なオプションや過剰な見積項目を発見できる

といったメリットがあります。


⚠ しかし!「形式だけの相見積もり」では意味がない!

よくあるのが、管理会社が“自社と取引のある業者”を3社選んで出してくるパターン。
一見、比較しているように見えますが、実態は価格の横並びだったり、事前に打ち合わせ済みだったりすることも…。

これでは、「相見積もりをした」というアリバイにはなっても、自由な競争にはなっていないのです。


🔶 よくある“ダメな相見積もり”のパターン


❌ 管理会社が持ってくる“仲良し業者3社”

たとえば、札幌市内のあるマンションで、給水ポンプの更新工事を計画。
管理会社が紹介した3社の見積書は、すべて数万円の違いしかありませんでした。

ところが、理事が独自に地元の設備業者に問い合わせたところ――
20%近く安く、しかも保証内容も優れていたのです。

管理会社は業者との付き合いや紹介料が絡むため、真に競争性のある提案が出てこないこともあると心得ましょう。


❌ 見積の前提条件がバラバラ

  • A社は高級素材を使った仕様で見積もり
  • B社は最低限の施工範囲で見積もり
  • C社は工期短縮を前提に安く見積もり

このように、仕様が統一されていない見積もりを比べても“比較検討”にはなりません。


❌ 「見積書だけで判断してしまう」

価格だけで決めてしまい、施工後に問題発覚――というケースも。
実際に、札幌市内で外壁補修工事を発注したマンションで、一番安い業者を選んだ結果、わずか2年で再劣化が発生した例もあります。


🔷 「本当の比較・検討」を実現するためのポイント


では、マンション管理における本来の相見積もりのあり方とはどのようなものか?
理事会や総会で“納得感”のある意思決定を行うには、次のポイントを押さえることが重要です。


✅ ポイント①:理事会が仕様書を作る、または専門家と作成する

  • 修繕内容
  • 使用材料
  • 工期・保証・アフター対応

これらを明文化して“共通の条件”を設定することが、正しい相見積もりの第一歩です。


✅ ポイント②:管理会社に依存しない業者選定

  • 管理会社の紹介業者だけでなく、理事会や第三者が直接探した業者にも見積を依頼
  • 可能であれば、札幌市内での施工実績が豊富な業者を選定

これにより、管理会社の“業者選定フィルター”から脱却し、より公正な競争を生むことができます。


✅ ポイント③:価格だけでなく“内容の比較”を重視

  • 工法、施工体制、実績、保証内容
  • 担当者の対応力や説明のわかりやすさ

など、金額以外の要素も総合的に評価する視点を持ちましょう。


🔶 こういうときこそ、マンション管理士を活用!


「仕様書ってどう作るの?」
「どんな業者が信頼できるのか分からない…」
「見積書を読み比べても違いが分からない」

そんなときこそ、マンション管理士の出番です!


🧩 マンション管理士ができること

支援内容解説
仕様書作成のサポート工事の目的・必要範囲を明確化し、業者に統一条件で依頼
相見積もりの手配複数の信頼できる業者に直接見積もりを依頼
内容の精査と比較表作成専門的視点で「ここが違う」「この費用が過剰」と説明
理事会・総会での説明支援住民に納得感のある説明を実現し、合意形成を促進

札幌市では、雪害や凍結による特殊な施工事情があるため、地域に詳しい管理士が加わることで、より適切な工事判断が可能になります。


✅ まとめ:「相見積もりしてるから安心」は、実は“落とし穴”


  • 管理会社任せの見積取得は、形式的で競争性がない場合がある
  • 真に比較するには、仕様を統一し、理事会や専門家が主導して見積もりを集めることが重要
  • 金額だけでなく、工事内容・保証・業者の信頼性も評価軸に
  • 迷ったときは、中立的な立場でサポートできるマンション管理士の力を借りよう!

📣 札幌市の管理組合・理事会の皆さまへ

「相見積もりって、ただ見積書を並べればいいわけじゃなかったのか…」
「この工事、妥当な金額なのか誰かに見てほしい」

そんな時は、ぜひマンション管理士にご相談ください!

管理会社とも連携しつつ、住民が納得できる“本物の相見積もり”を一緒に実現します。


工事の金額は数百万円、時には数千万円。
決して“勘と印象”で決めてはいけません。
プロの目とプロセスで、あなたのマンションにとって最適な選択を。
それが、私たちマンション管理士の役割です。