「うちのマンション、そろそろ築40年だけど、あと何年持つんだろう…?」
「最近、外壁のヒビやエレベーターの古さが気になってきた…」

札幌市をはじめとする都市部では、1970〜80年代に建てられた分譲マンションが今や“老い”を迎える時代になってきました。
住み慣れた我が家をこれからも安心して維持していくためには、「寿命」についての正しい知識と判断が必要です。

そこで今回は、

  • マンションの寿命の考え方
  • 修繕と建替え、どちらを選ぶべきか
  • 今からできる資金準備と専門家の活用法

この3つの視点から、“マンションのこれから”を考えるヒントをお届けします。


🔷 そもそも、マンションに“寿命”はあるの?


答えは「あります。でも正確には分かりません」。


✅ 法定耐用年数=寿命ではない!

鉄筋コンクリート造(RC造)の建物には、税制上の「法定耐用年数=47年」という数字がありますが、これはあくまで会計上の減価償却の目安であり、「物理的に住めなくなる年数」ではありません。

実際には、適切な修繕・メンテナンスがなされていれば、100年を超えて使い続けることも可能と言われています。


🛠️ 適切な修繕がカギ!

特に以下のような工事は、マンションの寿命に大きく影響します。

  • 屋上防水工事(雨漏り防止の要)
  • 外壁補修・再塗装(美観+安全性)
  • 配管更新(漏水防止・衛生対策)
  • エレベーター更新(安全と快適性)

これらの工事を計画的に行い、長期修繕計画を見直し続けることが、“寿命を延ばす最良の手段”です。


🔶 築古マンションで注意すべき“耐震性”の話


マンションの寿命を語る上で、建築された時期も見逃せません。


❗ 1981年6月以前に建てられたマンションは「旧耐震」

1981年6月に建築基準法の耐震基準が大きく改正されました。
これ以前に建てられたマンションは「旧耐震基準」のもとで設計されており、現在の耐震性の要件を満たしていない可能性があります。


📌 札幌市でも、旧耐震のマンションは少なくない

札幌市内では、1970〜1980年代に建設された中高層マンションが多く残っており、
耐震診断・耐震補強が未実施のまま放置されているケースも少なくありません。


✅ 選択肢は2つ:耐震補強 or 建替え

  • 建物の状態が良好で、補強工事が可能な場合:耐震補強工事(費用は数千万円〜数億円)
  • 補強が非現実的 or 建物全体が劣化している場合:建替えの検討

どちらを選ぶにしても、管理組合全体で合意を形成し、専門家と協力して進めることが不可欠です。


🔷 修繕 or 建替え、どちらにしても必要なのは“資金力”!


いざというときに、「修繕も建替えもしたいけどお金がない…」という状態では、何も始まりません。


✅ 修繕にも建替えにも、“お金”が要る!

内容必要な費用目安
大規模修繕工事(12~15年周期)数千万円〜1億円超
耐震補強工事1億円〜3億円(規模・構造による)
建替え事業(再建費用+仮住まい費)数十億円〜+住民の自己負担

✅ 修繕積立金は“資産寿命の延命装置”

これらの費用をまかなうためには、日々の積立=修繕積立金が生命線です。

ところが、札幌市でも「販売時に月額数千円の安価な設定で始まったマンション」が数多くあり、
築30年を超えても積立金が増額されていないケースも珍しくありません。


❗ 今からでも遅くない、積立金の見直しを!

  • 長期修繕計画の再チェック
  • 物価上昇や資材高騰を加味した将来予測
  • 建替えも視野に入れた資金試算

これらを“プロの目”で見直し、将来に備えた賢いお金の使い方を検討することが重要です。


🔶 最終的に頼りになるのは、マンション管理士


修繕か、建替えか――
そして、どれだけお金をどう備えておくべきか――

これらの判断は、専門知識と中立的な視点が不可欠です。


🧩 マンション管理士ができること

項目内容
長期修繕計画の診断・見直し将来の支出予測と積立額の適正化
耐震診断のサポート必要な検査や専門業者の紹介
建替え検討のアドバイス住民合意形成や行政制度の説明
修繕積立金のシミュレーション工事費・建替え費をもとに資金計画を立案
理事会・総会での説明支援住民への丁寧な説明と合意形成のサポート

札幌市のような寒冷地では、雪害・凍結・落雪といった特有のリスク管理も重要であり、地域事情に詳しい管理士の支援が非常に有効です。


✅ まとめ:マンションの“寿命”は、自分たちで延ばす・決めるもの!


  • マンションの寿命は明確には決まっていないが、適切な修繕で100年以上使える可能性もある
  • 1981年6月以前のマンションは「旧耐震」扱いとなり、耐震補強や建替えが必要な場合も
  • 修繕も建替えも、結局は“積立金という備え”がなければ始まらない
  • 判断に迷ったら、マンション管理士に相談を!

📣 札幌市で築30年・40年を迎えるマンションの皆さまへ

「このまま修繕して使い続けられるのか?」
「建替えを考えるタイミングはいつ?」
「お金が足りないとき、どうすれば?」

そんな悩みを感じたときこそ、マンション管理士にご相談ください!

マンションの“これから”を、資産価値と住み心地の両面から一緒に考えましょう。


建物は、老いる。
でも、寿命を伸ばすことはできる。
修繕か建替えか、その判断に迷うとき、マンション管理士はあなたの一番の味方です。