Q&Aを載せます。全46の質問がありましたので、ご回答いたします。
マンション管理士に関するアンケート結果
Q1. 不動産に関する専門職はとても難しそうなイメージが有ります。ありがとうございました。A1. そうですね。不動産関連資格は民法をはじめとする権利関係の領域が難しいと思います。
Q2. 管理業務主任者と比較して合格率も低く難易度が高いので、その中間くらいの試験があると良いなぁと思います。
A2. 中間くらいの試験が恐らく宅地建物取引士と思われます。しかし、こちらは管理業務主任者やマンション管理士とはかなり試験範囲が異なるので、しっかりとした対策が必要です。
Q3. 一番のやりがいは何でしょうか、また向き、不向きの方などいると思いますがどんな方が向いているのでしょうか。
A3. マンション管理士の一番のやりがいは、管理組合に専門的知識を提供することで、マンションを適正に管理し、組合員の負担を軽減したり、マンションを長寿命化させるところでしょう。また向いている人はまず試験に合格できるだけの専門的知識を持ち、さらに管理組合の意思を的確に汲み取り、むやみに管理会社を敵に回さないバランス力と、丁寧に説明したり、調整したりする人格を兼ねそろえた人でしょう。不向きな人はその逆です。
Q4. 平均的な給与はいくらなのか。勤務時間はどの程度なのか。マンション管理士は誰が雇ってくれるのか。
A4. マンション管理士は個人事業主です。ごくまれに法人化して複数のマンション管理士をかかえる巨大マンション管理士事務所がありますが、基本的には一人親方です。求人は存在しないでしょう。収入は、9割が年収300万円以下という状況にあり、マンション管理士一本で成業している事務所はとても少ないです。勤務時間は自分で自由に決められます。
Q5. マンション管理士の資格の難易度がどの程度なのか気になります。
A5. 合格率が10%程度なので、難関資格と言われますが、弁護士・税理士・社労士ほどの難関ではありません。偏差値にすると60くらいです。
Q6. 資格手当の相場やいかせる仕事。
A6. 資格手当は、マンションの管理会社の従業員がマンション管理士の資格を取得した時に出る場合があります。その管理会社ごとに金額はまちまちです。活かせる仕事としては、マンションの管理会社へ転職する場合に有利でしょう。実務としても活かせるかもしれません。
Q7. 資格とり実務を知っていることが大切なので、質問はありません。
A7. マンション管理士の資格試験と実務は乖離していると感じる人がいます。おっしゃる通り、両方知っていることが大切です。
Q8. どうやったら、上手くマンションを管理できるのかという関係のサイトを教えて欲しいです。
A8. 国土交通省指定のマンション管理センター(https://www.mankan.or.jp/)は、多くのマンション関係者が見ているサイトです。こちらにマンション管理に係わる情報がたくさんありますので、ご活用ください。
Q9. どれくらい収入を得られるのか。
A9. マンション管理士個人の力量次第です。現状はほとんどの人が会社員並みの収入を得られていません。
Q10. 初めてなので、仕事内容を知りたいです.
A10. マンション管理士とは、マンション管理士試験に合格し、マンション管理士として登録を受け、マンション管理士の名称を用いて、専門的知識をもって、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等又はマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする専門家です。
Q11. 今後、マンション管理の仕事をすることを視野に入れています。ハローワークの求人票でも時々見かけますが、どのようにして仕事を得れば良いのか知りたいです。
A11. 最も簡単に就職できるのは、「管理人」です。マンションの管理人は管理会社の従業員であり、受付・点検・清掃などマンションの管理全般を行います。最近は管理人不足が叫ばれていますので、比較的採用されやすいでしょう(60代の男性が多いです)。次に管理会社の「フロント」です。フロントは管理組合の理事会や総会の運営補助をし、助言したり、議事録案を作成したりします(20~50代の男女が主体です)。対して、マンション管理士は独立・開業しなければほとんど仕事がないので、ハローワークの求人には存在しません。
Q12. 管理人と管理士の違いが分からない。
A12. よく間違われますが、両者は全く違います。管理人はマンション管理会社の従業員です。管理会社の指示に従って業務を遂行します。特別な知識や経験がなくてもできます。対して、マンション管理士は、管理組合の求めに応じて専門的知識を提供するアドバイザーであり、コンサルタント業務を行う士業です。こちらは国家資格であるマンション管理士試験に合格しなければなりません。
Q13. 合格率がかなり低いと聞いた事があるが、それだけ給料が良い職なのかどうか。
A13. 合格率は10%程度です。マンション管理士は独占業務がありませんので、現状、黙っていても依頼が来る職ではありません。しかし、マンションの問題は年々複雑化・増加傾向にありますので、未来に向けて需要が増えていくという可能性は十分あります。
Q14. 最近の孤独死問題、修繕積立金不足の改善策について興味があります。
A14. 住民の高齢化とマンションの高齢化が引き起こす問題ですね。これらは「マンションの2つの老い」と呼ばれており、喫緊の課題となっています。
Q15. Web上にアンケート結果を掲載するのはとても良い事だと思います。
A15. ありがとうございます。皆さまのご協力のお陰様で、微力ながらマンション管理士の認知度が向上しています。
Q16. 私は賃貸管理の仕事をしているので、実務にどのように役立つのか知りたいです。
A16. マンション管理士の資格が賃貸管理に役立つ場面と言えば、マンションの専有部分を第三者に貸与する賃貸借契約の場面でしょう。この時、民法・区分所有法・標準管理規約等の知識が役立つと考えられます。
Q17. マンション管理士の仕事内容や報酬額が気になるので、調べてみようと思いました。
A17. ご興味を持っていただき、嬉しく思います。
Q18. 巷ではマンション建設のラッシュです。その管理のスペシャリストなら役立つ場面がありそうですね。
A18. 戸数で言えば、700万戸のマンションストックが存在しますが、今まで建替えられた例は300程度しかありません。これから修繕や建替えに向けて需要が出てくるものと確信しています。
Q19. 資格の難易度や、学習方法など知りたい
A19. 難易度は500~600時間の学習時間が必要、偏差値にすると60程度です。先に管理業務主任者の資格を取得することで、50問の試験問題のうち、5問が免除となり、合格しやすくなります。学習方法としては、独学かアカデミーかまず決めましょう。独学の場合は「最新の」テキストを買って学習します。学習方法よりは毎日時間を確保して継続して学習できるか否かが合否の分かれ目です。
Q20. 現在勉強中です。昨年受験したがダメでした。資格をとっても本当に活かせるのか少し疑問です。
A20. 開業して成業しているマンション管理士は少ないです。私はこういう状況を変えたいと思っています。
Q21. マンション管理にどんな資格が必要で取るためにどれだけの費用や時間が必要か知ってみたい。
A21. マンション管理そのものには資格が必要ありませんので、マンション管理組合が管理会社と契約せずに管理する「自主管理」というものもあります。多くのケースでは管理会社に全部委託しており、管理会社は「マンション管理業者」としての登録、そして原則30管理組合に1人の割合で「管理業務主任者」の資格を持つ人を事務所に置かなければなりません。対して、「マンション管理士」の資格がなければできない業務というものはほとんど存在しません。
Q22. 具体的にどんな仕事をするのか?
A22. マンション管理士は士業であり、管理組合のアドバイザーです。具体的には、顧問業務、第三者管理業務、管理規約見直し業務、長期修繕計画見直し業務などを提供しています。
Q23. 年齢層などどんな人が働いているのか?
A23. 独立系マンション管理士の年齢層は60代以上がほとんどです。多くは退職金と報酬のダブルの収入を得ています。60歳未満で成業しているマンション管理士はごく少数で、多くは副業もしながら活動をしています。
Q24. マンション管理士の資格を取得したい為に勉強を試みましたが難しすぎて断念。どのように勉強をしたら受かるのですか?
A24. 先に管理業務主任者の資格を取得することで、50問の試験問題のうち、5問が免除となり、合格しやすくなります。権利関係の分野は法学部出身でもない限り初学者には難しいですが、慣れてくれば読めるようになります。他にもコツがありますので、フォームからお問い合わせくださればお伝えします。
Q25. 難易度の高い試験ではありますが、価値のある資格だと思います。
A25. はい。さらに価値ある資格にするため、認知度を向上させたいと思います。
Q26. 業者との癒着が気になります。
A26. 独立系マンション管理士は、マンション管理士会に入会する際に、バックマージンを受け取らない等の倫理規定を守る宣誓を行います。管理組合と業者の癒着の場合、発覚が難しいかもしれませんので、チェック体制を厳しくしなければなりません。
Q27. 友人がマンション管理士を目指して勉強しています。老後にも活かせる資格で人のためになるし、とてもよいと思います。
A27. 高齢者も毎年続々合格しています。学んだことを社会に活かせる資格ですね。
Q28. 収入はどれくらい?
A28. 各々のマンション管理士によってかなり差があります。収入は、9割が年収300万円以下という状況にあり、マンション管理士一本で成業している事務所はとても少ないです。
Q29. マンション管理士資格を取得しても独占業務もなく名乗れるだけで、宅建よりも難易度が高い試験を突破したところで、仕事に結びつけて収入を得る方が困難だということは、マンション管理資格を取得しようとしている人は、何をモチベーションにして受験するのかが疑問です。
A29. 管理会社のフロントは資格取得による昇進や昇給がモチベーションと考えられます。マンションの役員がマンション管理士を取得する場合は発言力を強めることができるかもしれません。
Q30. マンション管理組合と管理会社が、区分所有者の利益に反する行為を続けている一方、監督官庁をはじめ規制をしないこと、マンション管理に係る契約が消費者保護法制の対象に入っていない(?)ことは大きな問題。管理組合と管理会社にこのような行為をやめさせるにはどうすればいいのでしょうか。
A30. 民事の争いは、本人の訴えがなければなりませんので、まず区分所有者の利益に反する行為が存在することを区分所有者に知ってもらうことがはじめの一歩となるでしょう。しかし、これは事前に入念に調査しなければ、証拠もなく味方になってくれる人は少ないと考えられます。
Q31. 一般的にどのくらい長く取引してもらえるのか知りたいです。
A31. 例えば顧問契約は1年契約の毎年更新となります。当事務所は末永くお付き合いさせていただきたいと考えております。
Q32. 資格が必要な業務だということは知っていますが、合格までにどのくらい勉強をしたのか。現在マンション管理士の仕事をされている方はどこでその仕事を見つけたのか。マンション管理士と普通の管理人の大きな違いは何なのか。
A32. マンション管理士は500~600時間の学習時間が必要と言われています。マンション管理士が業務契約を獲得するパターンとしては、ホームページからの問い合わせが半数、既存顧客(管理組合)からの紹介が半数と言われています。
Q33. 役員が把握できればいいと思う。
A33. マンション管理士は必要ないという意味でしょうか?以下はマンション管理センターからの引用です。「マンションの管理を適正に行っていくためには、管理組合の運営、建物等の維持又は修繕等に関する専門的知識が必要となります。しかしながら、管理組合の構成員であるマンションの区分所有者等はこれらの専門的知識を十分に有していないことが多いことから、マンションの区分所有者等に対し、適正なアドバイスを行うことができる専門家が必要です。マンション管理士制度は、平成13年8月に施行されたマンション管理適正化法において、国家資格として位置付けられています」このように国策としてマンション管理士が誕生した経緯があります。
Q34. マンション管理士の仕事内容がどのようなものがあるのか気になります。
A34. 具体的には、顧問業務、第三者管理業務、管理規約見直し業務、長期修繕計画見直し業務などを提供しています。
Q35. マンション管理士は全てのマンションに必要ですか?
A35. 私は全てのマンションに配置すべきと考えています。しかし費用面の問題もあるため、ある程度、国や自治体が補助金を出すのが理想だと思っています。
Q36. どれくらい収入があるのか?
A36. 収入は、9割が年収300万円以下です。
Q37. マンション管理士を雇うメリットは?
A37. 1.主体性の確保(管理会社に管理を委託していても、管理組合が主体的な協議・判断ができるよう助言・支援)、2.継続性の確保(輪番制でなかなか継続性を確保できなかった引継ぎをスムーズにし、理事会の一貫した方針による運営を支援)、3.公平性の確保(一部の区分所有者が長年役員を務める業務負担の不公平感を是正、ベテラン役員が引退した時のリスクに備える)等がメリットです。
Q38. 管理人さんがマンション管理士の場合はあるのか、そこが疑問。
A38. 全くないとは言い切れませんが、ほとんど存在しないでしょう。管理人は受付・点検・清掃等の実働部隊であり、専門的知識を持って助言や支援を行うマンション管理士とは全く性質が異なるからです。
Q39. 副業としてやっていけるか?
A39. 本人次第ですが、マンション管理士が顧問契約を結ぶと、平日夜や土日の理事会や総会に出席することになるので、フルタイム会社員+マンション管理士は時間的に激務のような気がします。
Q40. マンションに関する知識を得たうえで購入すればトラブルも減るのかな、と思いました。
A40. そうですね。マンションに関する知識を知らずに購入したことでトラブルになっているケースがたくさんあると思います。
Q41. 管理業務主任者を取得しているので、挑戦してみたい。
A41. 管理業務主任者を取得済みであれば、マンション管理士試験は5問免除となります。ぜひ挑戦してみてください。応援しています。
Q42. 試験の難易度、資格取得後の収入。
A42. 学習時間500~600時間、合格率10%程度。そこそこの難関資格です。マンション管理士を雇用する余裕のある事務所はほとんどありませんので、資格取得後に独立開業する方は、自分の力で収入を決めることになります。多くのマンション管理士は十分な収入が得られていない状況です。
Q43. 名前は知っているがどうやったらなれるのかさえ知らない状態。興味があるので勉強したい。女性の未経験もなれるのでしょうか?
A43. マンション管理士に性別や年齢は関係ありません。資格を取得すれば、マンション管理士と名乗ることができます。しかし、未経験で管理組合を相手に業務契約を結ぶのは難しいでしょう。元々、マンションの役員であったとか、管理会社のフロントであったという経験があれば活かせます。またそのような経験がなくても「プロナーズ」の研修を受け、認定を受けることで、経験値を得ることができます。
Q44. 資格として取得できそうなのであれば、興味があります。
A44. 不動産資格としては最も難しいですが、だからこそ価値があります。毎年1000人前後が合格している資格です。
Q45. マンション管理士は、国家資格で取得が難しいにもかかわらず、誰でも受けれるという敷居の低さから軽視されがちです。私は、学生時代に先生がマンション管理士を持っており、その先生から色々と教わったので、ある程度の知識があります。それでも、マンション管理士に対する正しい情報を得るというのは非常に難しい様に感じます。世の中には、とても大切な資格が、様々な事情によって雑に扱われているケースが多い様に感じます。それは、雇用者の態度となって表れるケースも多いと聞きます。苦労してマンション管理士の資格を得て就職できたとしても、身を粉にして働かなければならない事も多いのだとか。資格を目指す人がどれだけ頑張っても解決しない問題に対して、世の中が少しでも良い方向に進む為には、私たちに出来る事は何かあるのでしょうか?アドバイス等ありましたら、どうぞよろしくお願いします。
A45. 真剣に考えてくださり、ありがとうございます。おっしゃる通り、マンション管理士は国家取得かつ難関資格であるにも関わらず、知名度の低さと成業の難しさのため、活躍できていない実態があります。そこで皆様にお願いしたいのは、知名度向上のための啓蒙活動への応援です。私もあの手この手で知名度を向上させようと奮闘していますが、一人の力では困難です。どうかお力をお借りできればと思います。
Q46. 世間で不動産熱が高まっているがマンション管理は大事なのに知名度が低い。宅建をとったので次はマン管と考えたことがあるが情報が少なくてよくわからなかった。必要性とか食べていくにはどうしたらいいのかとかをもっと知りたい。
A46. 関心を持っていただきありがとうございます。マンション管理士は国家資格であり、国が必要だと認めた国家プロジェクトです。しかし、この資格を生きたものとするのは私たちマンション管理士自身の、自己研鑽と、啓蒙活動によってなされるべきものと考えます。必要性や食べていくための方法については、私がSNS上で発信していますので、ぜひお繋がりください。
以上です。ご協力ありがとうございました☆