「理事って、順番で回ってくるものなの?」
「うちのマンション、いつも同じ人が理事をしているけど、それっていいの?」
マンションの理事会運営について、意外と知られていないのが「輪番制と固定制の違い」です。
札幌市を含む全国のマンションでは、理事の選任方法としてこの2つのどちらか、もしくはその中間的な運用を採っているところが多く見られます。
本コラムでは、
- 輪番理事制と固定理事制、それぞれの特徴・メリット・デメリット
- それらの運用を公平性・専門性・継続性の観点から支える“マンション管理士”の役割
について、実務経験を踏まえながら分かりやすく解説していきます。
🔷 そもそも理事とは?基本のおさらい
理事は、マンション管理組合の意思決定を担う“執行部”です。
多くの管理組合では、管理規約に基づき「理事会」が設置され、理事長・副理事長・会計・監事などの役職が構成されます。
🌀 輪番理事制とは?
✅ 定義
輪番制とは、「区分所有者が持ち回りで理事を務める方式」です。
たとえば「奇数号室の人が今年、偶数号室が来年」というように、あらかじめ順番を決めておく方法です。
✅ メリット
項目 | 内容 |
---|---|
公平性が高い | 特定の人に負担が偏らず、全員が役割を分担 |
多様な視点が得られる | いろいろな区分所有者が参画し、偏りを防げる |
透明性がある | 誰がいつ担当するかが明確でトラブルが少ない |
✅ デメリット
項目 | 内容 |
---|---|
専門性が低くなる傾向 | 引き継ぎが難しく、素人が毎年入れ替わるためノウハウが蓄積されない |
継続性が弱い | 事業計画が年度ごとに断絶しやすく、中長期の戦略が立てにくい |
担当者によりバラツキが出る | 積極的な人と消極的な人で理事会の機能に差が出る |
🔒 固定理事制とは?
✅ 定義
固定理事制とは、「毎年同じメンバー(または選挙や推薦によって継続的に理事を務める人)」で構成される方式です。
✅ メリット
項目 | 内容 |
---|---|
経験・知識が蓄積される | 継続的な関与で専門性が高まり、理事会が機能的になる |
修繕・契約など長期的視野が持てる | 工事や更新計画などを一貫して見られる |
管理会社とのやり取りがスムーズ | 窓口が固定され、関係性が深まりやすい |
✅ デメリット
項目 | 内容 |
---|---|
公平性に欠ける | 一部の住民に負担が集中し、「任せっきり」の状態になりがち |
閉鎖的になりやすい | メンバーが固定化すると、外部の意見が通りにくくなる |
不透明感が出やすい | 輪番と異なり、誰がどう選ばれているのかが見えづらいこともある |
🔶 両者の“弱点”を補完する存在、それがマンション管理士
輪番でも固定でも、どちらかに偏りすぎると運営が不安定になるリスクがあります。
ここで重要な役割を果たすのが、第三者である「マンション管理士」の存在です。
🧩 管理士がもたらす3つの補完効果
✅ ① 公平性の担保(輪番制の欠点対策)
マンション管理士はすべての区分所有者に公平な立場で関わることができます。
輪番で不慣れな理事が選ばれたときでも、管理士が中立的な助言や補足資料の作成支援を行うことで、負担を軽減しながら意思決定をサポートします。
✅ ② 専門性の補完(輪番でも安心)
年替わりで経験値の浅い理事ばかりになると、大規模修繕や契約見直しといった専門性の高い判断が難しい場面もあります。
そんなとき、マンション管理士が専門家の視点で判断を補助し、リスク回避に貢献します。
✅ ③ 継続性の確保(固定制の補完)
逆に、固定理事制では「属人化」が問題になります。
情報が一部理事に偏り、他の住民からの不満が生じることも。
マンション管理士は議事録や計画の整理を通じて情報を開示し、透明性と継続性を支える役割も担います。
🔷 札幌市のマンション事情と理事会の傾向
札幌市では、次のような特徴が見られます。
- 高経年マンションが増加中:大規模修繕や設備更新の議論が活発
- 役員のなり手不足が深刻:特に冬季は活動が困難になることも
- 固定理事が“実質ワンオペ”のケースも多い
このような背景から、理事会の運営に“偏り”や“疲弊”が目立ち始めているマンションが増えてきています。
🔶 理想的なのは「役員+専門家」のチーム体制!
理事会が持つべきは、「全部自分たちでやる」ではなく、“必要な部分だけプロに任せる”という柔軟な運営スタイルです。
📌 例えばこんな役割分担が理想的!
業務内容 | 担当 |
---|---|
年次の理事交代 | 組合内のルールに沿って |
建築・法律の専門的判断 | マンション管理士がアドバイス |
住民への説明や資料作成 | 管理士と理事が協働で作成 |
総会・理事会の運営 | 理事会主導+管理士が進行支援 |
管理会社との交渉 | 管理士が中立的な立場で助言 |
✅ まとめ:輪番でも固定でも、“管理士との連携”が安定運営のカギ!
- 輪番制は「公平性」に優れるが、「専門性・継続性」に課題がある
- 固定制は「専門性・継続性」に優れるが、「公平性・透明性」が低下しがち
- どちらの運用にも弱点はあり、その補完を担えるのがマンション管理士!
- 札幌市のマンションこそ、地域特性を理解した管理士の支援が有効!
📣 札幌市の管理組合・理事会の皆さまへ
「今の理事体制、これでいいのか不安…」
「専門的な相談をしたいが、管理会社だけでは心もとない」
そんな時は、ぜひマンション管理士にご相談を!
公平性・専門性・継続性のある運営体制を一緒に考えてみませんか?
「任せきりでも、自分たちだけでもうまくいかない」
マンション管理の成功は、“住民”と“専門家”のチームワークから生まれます。
あなたのマンションの未来を、私たち管理士がサポートします!