夏になると札幌市でも増えてくるのが「ハチの巣トラブル」。
「隣の住戸のバルコニーにハチの巣ができているんだけど…管理組合や本人に連絡がつかない!」という緊急事態、あなたならどうしますか?

結論から言うと、民法上の「保存行為」に該当するため、一定の条件下では管理組合の判断で駆除が可能です。
本コラムでは、その法的根拠・費用負担の考え方・住戸所有者に非がある場合の対応をわかりやすく解説します。


🔷1.ハチの巣は放置NG!危険性と管理組合の責任


ハチの巣は以下のようなリスクを引き起こします:

  • 刺傷による住民の健康被害(特に子ども・高齢者)
  • 郵便・宅配業者、管理員の作業中に事故の恐れ
  • 住戸間トラブルやクレームの原因に
  • 場合によっては管理組合や住戸所有者に法的責任が及ぶことも

🔷2.民法702条「保存行為」に基づく対応の正当性


民法第702条(事務管理)にはこう記されています:

「他人の事務の管理にあたり、急迫の事情がある場合には、本人の承諾なくしても保存行為を行うことができる。」

つまり、緊急性がある(人命・財産に危険が及ぶ)ときは、承諾を待たずに対処が可能です。
ハチの巣の駆除は、まさにこの「保存行為」に該当します。


🔷3.駆除の費用、誰が負担する?


ここで気になるのが費用負担の問題です。結論としては以下の通り:

✅ 原則:管理組合が対応・負担

  • ハチの巣が専用使用部分(バルコニーなど)であっても、緊急性が高い場合は管理組合の責任で対応し、その費用は管理費から支出されるのが一般的です。

✅ 例外:住戸所有者に「明確な過失」があった場合

ただし、次のようなケースでは住戸所有者に費用の一部または全額を請求できる可能性があります:

  • ハチの巣の存在を認識していながら通報を怠った
  • 管理組合からの改善要請を無視・拒否した
  • バルコニーにハチを誘引するもの(食べ物の放置や植木等)を置き続けた

この場合、「善管注意義務(善良なる管理者の注意義務)」違反が問われる余地があるため、清算対象とすることは法的にも妥当性があるとされます。


🔷4.実際にトラブルを未然に防ぐ対応策


  • 駆除後の費用処理は理事会で報告・記録を残す
  • 再発防止策(定期点検や掲示物による注意喚起)を実施
  • 緊急対応マニュアルを理事会や管理会社と協議しておく

🔷5.札幌市でのハチ被害・防除のポイント


札幌市では初夏から秋にかけてスズメバチ・アシナガバチの巣作りが増加します。特に以下の場所に注意:

  • バルコニー天井やエアコン室外機裏
  • 屋上の通気口周辺
  • 駐車場のひさしや自転車置場の柱周り

札幌市ではハチの駆除を自治体では行っていませんが、専門業者の紹介や相談窓口がありますので、早めの連絡を。


🔷6.マンション管理士の活用でトラブル防止と安心を


マンション管理士なら、次のような支援が可能です:

サポート内容効果
保存行為の法的整理管理組合の正当性を裏付ける
駆除後の清算処理アドバイス費用負担トラブルを未然に防ぐ
緊急対応マニュアルの整備次回以降のスムーズな対応を実現
住民向け通知・資料作成合意形成と説明責任を果たす

✅ まとめ:ハチの巣は“怖い”けど、正しく動けば“安心”に変わる!


  1. ハチの巣は民法上の「保存行為」で駆除が可能
  2. 原則は管理組合負担だが、住戸に明確な過失があれば費用請求も可能
  3. 駆除後の対応と住民説明がトラブルを防ぐカギ
  4. 専門的判断が必要なときは、マンション管理士に相談を!

📣 札幌市の管理組合・理事会の皆さまへ

緊急時ほど冷静に、法に沿った判断が求められます。
トラブルを最小限に抑え、住民の安全と安心を守るには、プロの知見を得て、組織的に対応することが最善策です。

まずは一度、マンション管理士にご相談ください。
あなたのマンションを“安全でトラブルの少ない場所”にするお手伝いをいたします。ため、私たちは全力でサポートいたします!