◆ はじめに
「最近の理事会、メンバーのほとんどが70代以上…」
こんな状況に心当たりのある方も多いのではないでしょうか?
日本全国でマンションの高齢化が進む中、役員の世代交代がうまくいかないという悩みは非常に深刻です。札幌市内でも同じ課題を抱えるマンションは少なくありません。
今回は、
- なぜ世代交代が難しいのか
- 放置するとどんなリスクがあるのか
- 上手に世代交代を進める秘策
について、マンション管理士の視点から解説していきます。
◆ 役員の世代交代が進まない原因
◎ 高齢役員が続投する理由
高齢化した役員が辞められず、長年にわたり同じ顔ぶれで理事会が回っているケースはよくあります。
理由はシンプルです。
- 若い世代が役員を引き受けてくれない
- 引き受けても、すぐに辞退してしまう
- 「自分がやらないと理事会が回らない」という責任感
結果として、高齢役員に負担が集中してしまいます。
◎ 現役世代が参加しにくい社会背景
若い世代が役員を敬遠するのには、社会的な背景があります。
- 夫婦共働きが当たり前 → 平日夜の会議に出られない
- 男性の育児参加が進む → 子どもの送迎や家事分担で余裕がない
- 仕事の多忙化 → テレワークでも会議時間を確保できない
「やりたい気持ちはあるけど、時間が取れない」
これが現役世代の本音です。
◆ 世代交代が進まないとどうなる?
◎ 管理組合の停滞
役員が固定化すると、理事会が形骸化してしまいます。
新しい課題への対応が遅れ、建物の劣化や修繕積立金不足など深刻な問題が先送りになるリスクがあります。
◎ 大規模修繕工事の遅延
大規模修繕工事の計画や施工は、理事会のリーダーシップが不可欠です。
しかし高齢役員だけでは専門的な判断が難しく、修繕の時期が遅れて建物価値の低下を招きます。
◎ 将来の資産価値への影響
札幌市の中古マンション市場でも、管理組合がきちんと機能しているかどうかが査定に影響するケースがあります。
「役員の高齢化が深刻で、理事会が回っていないマンション」は、買い手から敬遠されやすくなるのです。
◆ 世代交代を上手に進める3つの秘策
① 役割を細分化して負担を軽減
「理事長=フルタイム役員」のように重い負担を背負わせてしまうと、誰も引き受けたがりません。
- 会計担当
- 防災担当
- 広報担当
など役割を分担し、一人あたりの負担を軽くする工夫が必要です。
② 会議を効率化する
若い世代が参加できない最大の理由は「時間がない」こと。
- オンライン会議の導入
- 事前資料の配布
- 会議時間を1時間以内に制限
など、効率化の工夫をするだけでも参加のハードルは下がります。
③ 専門家を頼る
根本的に、役員の負担を減らさなければ世代交代は進みません。
そこで有効なのが、マンション管理士などの専門家の活用です。
- 議題整理や資料作成をサポート
- 大規模修繕など専門的な判断を助言
- 管理会社との交渉を代行
これにより、役員は「決断」に集中でき、時間的・心理的な負担を大幅に軽減できます。
◆ 札幌市での事例
札幌市内でも「役員の高齢化が限界」という理由で、外部のマンション管理士を活用した組合が増えてきています。
「理事会に若い世代が参加してくれた」「大規模修繕がスムーズに進んだ」という声も少なくありません。
◆ まとめ:世代交代は“仕組み”で解決できる
マンションの役員世代交代は、個々の努力や善意だけに頼っていては解決しません。
- 役割の細分化
- 会議の効率化
- 専門家のサポート
この3本柱で仕組みを整えることが大切です。
札幌市にお住まいの方で、
「うちのマンション、役員が高齢化してもう限界…」
と感じているなら、ぜひ一度マンション管理士に相談してみてください。
未来の資産価値と安心の暮らしを守るために、専門家の力を借りながら上手に世代交代を進めていきましょう!