近年、マンション管理の現場でこんな声をよく耳にします。

「空き家は増えているけど、
管理費と修繕積立金はちゃんと振り込まれているから
特に問題はないですよね?」

一見すると、もっともらしく聞こえます。
しかし、これは非常に危険な考え方です。

結論から言うと――
👉 管理費が入っていても、所在不明組合員が増えるとマンションは“詰み”ます。

本コラムでは、

  • 「空き家=問題なし」という誤解
  • 所在不明組合員がもたらす本当のリスク
  • 水漏れなど緊急トラブルの恐怖
  • 大規模修繕ができなくなる仕組み
  • 最新の標準管理規約にする重要性

を、マンション管理士の立場から詳しく解説します。


🔍空き家と「所在不明」はまったく別物

まず整理しておきたいのが、
「空き家」と「所在不明」は違うという点です。

空き家とは

  • 人が住んでいない
  • しかし所有者とは連絡が取れる
  • 書面も届く、意思確認ができる

👉 これは、管理上まだコントロール可能です。

所在不明組合員とは

  • 所有者と連絡が取れない
  • 郵便が戻ってくる
  • 電話もメールも不通
  • 生死すら分からない

👉 これは、管理組合にとって極めて深刻な状態です。


🚨「管理費が入っていればOK」という危険な思い込み

確かに、管理費や修繕積立金が滞納されていなければ、

  • 会計上は問題がない
  • 日常管理は回る

ように見えます。

しかし、マンション管理で本当に重要なのは
「お金」だけではありません。

マンションは、

  • 多数の区分所有者の
  • 合意形成によって
  • 維持・更新していく建物

です。

👉 意思表示できない区分所有者が増えること自体が、致命的リスクなのです。


💧【現実に起こる】所在不明住戸からの水漏れリスク

ここで、非常に現実的で、しかも怖いリスクをご紹介します。

所在不明組合員の部屋で水漏れが発生したら?

例えば、

  • 長期間空き家
  • 給水管・排水管の劣化
  • 冬場の凍結(札幌市では特に多い)

このような状況で、
所在不明の住戸から水漏れが発生したらどうなるでしょうか。

想定される事態

  • 下階住戸への漏水被害
  • 共用部分への被害拡大
  • 緊急で室内に入る必要がある

しかし…

👉 所有者と連絡が取れない
👉 鍵もない
👉 同意が取れない

対応は一気に難航します。


⚖️緊急対応すら簡単ではない現実

「緊急なら勝手に入ればいいのでは?」
そう思われるかもしれません。

しかし、専有部分への立ち入りは、

  • 管理規約の規定
  • 緊急性の判断
  • 手続きの適法性

が厳しく問われます。

管理規約が古い場合、

  • 緊急立入の規定が不十分
  • 手続きが曖昧
  • 管理組合が萎縮して動けない

というケースが非常に多いのです。

結果として、

👉 被害が拡大
👉 管理組合が責任追及される

という最悪の展開もあり得ます。


🏗大規模修繕が「できなくなる」本当の理由

所在不明組合員の最大の問題は、
大規模修繕工事ができなくなることです。

なぜか?

大規模修繕には、

  • 総会決議
  • 特別決議(区分所有法)

が必要です。

ところが…

  • 所在不明者は総会に出席しない
  • 委任状も出ない
  • 書面議決も不可能

👉 議決権が宙に浮く

結果として、

  • 決議要件を満たせない
  • 工事が承認できない
  • 建物が劣化し続ける

という負のスパイラルに陥ります。


📉「お金があるのに修繕できない」マンションへ

怖いのはここからです。

  • 修繕積立金は十分にある
  • 工事の必要性も明らか
  • でも決議が取れない

👉 お金があっても修繕できないマンション

これは、資産価値の観点から見ても致命的です。

札幌市でも、

  • 高経年マンション
  • 相続未登記
  • 投資目的で放置

といった要因で、
所在不明組合員が増えつつあります。


📜解決の第一歩は「最新の管理規約」

では、どうすればよいのでしょうか。

重要なのは、
👉 最新の標準管理規約に準拠した管理規約にすることです。

最新の標準管理規約では

  • 所在不明者への対応
  • 緊急立入の考え方
  • 管理者の権限
  • 合意形成を円滑にする仕組み

が、現実に即して整理されています。

古い管理規約のままでは、

  • 想定されていない
  • 使えない
  • 解釈が割れる

といった問題が頻発します。


🛠規約を変えるだけでは不十分

ただし、注意点があります。

管理規約は、

  • ただ最新にすればよい
  • 標準管理規約を丸写しすればよい

というものではありません。

  • マンションの規模
  • 所有者構成
  • 空き家の実態
  • 札幌市特有の気候条件

これらを踏まえて、
オーダーメイドで整備する必要があります。


🤝マンション管理士を活用すべき理由

所在不明組合員問題は、

  • 法律
  • 管理規約
  • 実務
  • 合意形成

すべてが絡む、高度に専門的な分野です。

マンション管理士は、

  • 管理規約の診断・改正支援
  • 所在不明者対策の整理
  • トラブル予防の仕組みづくり
  • 管理組合の意思決定サポート

を通じて、
「動けなくなるマンション」を防ぐ役割を果たします。


📝まとめ|管理費が入っていても安心できない

  • 空き家と所在不明は全く違う
  • 所在不明組合員は重大リスク
  • 水漏れなど緊急トラブルに対応できない
  • 大規模修繕が決議できなくなる
  • 最新の標準管理規約が不可欠
  • 専門家の関与が早期解決の鍵

🌟最後に|手遅れになる前に

「今はまだ大丈夫」
「そのうち何とかなる」

そう思っている間に、
マンションは確実に動けなくなっていきます。

札幌市で、

  • 空き家が増えてきた
  • 所有者と連絡が取れない住戸がある
  • 管理規約を長年見直していない

そんなマンションこそ、
早めにマンション管理士へご相談ください。

👉 マンションの未来を守るのは、
👉 「今、動くこと」です。