◆ はじめに
「理事会の運営にモヤモヤしているけど、自分が理事長になるのは無理…」
「役員をやっていない立場で意見を言うのは、なんだか気が引ける…」
マンションにお住まいの方から、このような相談を受けることがあります。
特に札幌市のようにマンション数が多く、居住者の生活スタイルも多様化している地域では、こうした声は少なくありません。
では、役員ではない区分所有者が理事会に意見するのは“NG”なのでしょうか?
答えはNO! むしろ、区分所有者には堂々と意見を言う権利があります。
本記事では、区分所有者の持つ「発言権・議決権」について整理しながら、意見を建設的に伝える秘訣をご紹介します。
◆ 区分所有者には「意見を言う権利」がある
区分所有法をはじめとする法律では、すべての区分所有者には発言権と議決権が認められています。
つまり、理事長や理事でなかったとしても、管理組合の一員として意見を述べることは当然の権利なのです。
- 総会での発言権
→ 管理組合の最高意思決定機関である総会において、誰もが意見を述べることができます。 - 議決権
→ 各区分所有者は、持分割合に応じて議決権を持ち、賛否を表明することが可能です。
要するに、役員であるかどうかは関係ありません。役員は執行部として日常の管理を担う立場ですが、意思決定の最終権限は区分所有者全員にあるのです。
◆ でも、意見を言うのは気が引ける…その理由
それでも「意見を言いにくい」と感じる方は多いでしょう。
その背景には、こんな心理があります。
- 理事会メンバーに悪く思われたくない
- 知識不足で反論されたら困る
- 会議の雰囲気を壊したくない
特に札幌市のような比較的大規模なマンションでは、近所づきあいや人間関係も影響し、「言いづらい空気」が生まれることがあります。
しかし、意見を言わないままではマンションの将来に関わる重要な意思決定が進んでしまう可能性があります。
だからこそ、伝え方の工夫が大切なのです。
◆ 意見を反映させるための3つの秘訣
◎ 1.役員への「ねぎらい」を忘れない
理事長や理事はボランティアで役割を担っており、日常業務に多大な労力を費やしています。
そのため、いきなり批判的な意見をぶつけると「またクレームか…」と受け取られやすいのです。
まずは一言、
「理事会の皆さん、いつもありがとうございます」
と感謝を示すことが、意見を受け入れてもらいやすくする第一歩です。
◎ 2.法的根拠をもって意見する
「なんとなく不安だから反対」では、理事会も納得しません。
意見を通すためには、法律や規約の根拠を添えることが有効です。
例:
- 「区分所有法第30条では、管理規約は区分所有者間の利害の衡平が図られるように定めなければならないとされています。今回の提案は、その趣旨に照らして再検討すべきでは?」
- 「国交省のガイドラインによると、この修繕は計画の10年目を目安に実施すべきとされています」
こうした具体的な根拠を示すと、理事会も軽視できず、建設的な議論につながります。
◎ 3.協調的な姿勢を見せる
単に「反対」「やめてほしい」と言うのではなく、代替案を提示する姿勢が重要です。
例:
- 「この修繕工事には賛成ですが、施工時期をもう少し後ろにずらして資金を貯めてはどうでしょうか?」
- 「防犯カメラの台数を減らし、その分を照明の増設に回すのはどうでしょう?」
「一緒により良い方法を考える」というスタンスを見せることで、意見が前向きに受け止められやすくなります。
◆ 札幌市のマンションならではの事情
札幌市にあるマンションでは、次のような点で意見の重要性が増しています。
- 積雪や寒冷地仕様の修繕工事:特別な工法や費用がかかるため、合意形成が難しい。
- 人口動態の変化:高齢化や単身世帯の増加で、役員の担い手不足が深刻。
- セキュリティや維持管理への関心の高まり:都市部ならではの課題。
これらの事情から、札幌市のマンションでは「ただ任せる」ではなく、区分所有者全員が意見を出し合う姿勢が特に大切です。
◆ まとめ:意見は“言っていい”、むしろ“言うべき”
- 区分所有者には、意見を述べ議決権を行使する権利がある。
- 意見を反映させるには、役員へのねぎらい・法的根拠・協調姿勢が重要。
- 札幌市のマンションでは、寒冷地特有の課題もあり、住民一人ひとりの発言が将来を左右する。
◆ 最後に:マンション管理士を活用しよう
「意見はあるけど、どう伝えればいいか分からない」
「法的根拠を探すのが難しい」
「議論がこじれるのが心配…」
そんな時こそ、マンション管理士の出番です。
- 区分所有法や標準管理規約を踏まえて意見を整理
- 札幌市特有の事情に合わせてアドバイス
- 理事会と区分所有者の橋渡し役
安心して意見を述べられる環境づくりのために、まずは無料相談を活用してみてください。
マンションの未来を変える一歩は、あなたの勇気ある一言から始まります。