「うちの管理会社、なんだか管理委託業務費が高い気がする…」
「この“管理委託業務費”って、適正価格なの?」

札幌市内でも、マンションの管理組合からこういった相談が増えています。
インフレや人件費の高騰を背景に、管理費用の見直しが提案されることが多くなり、「値上げされたけど本当に妥当なの?」と疑問を抱く理事の方も多いでしょう。

しかし、結論から言えば――
管理会社が提示する管理委託業務費は、基本的には“妥当な範囲内”であることが多いのです。

今回は、マンション管理士の視点から、管理委託業務費の仕組み・適正性の判断基準・住民としてできるチェック方法まで、わかりやすく解説します。


🔷 「管理委託業務費」ってそもそも何?


✅ 管理委託業務費とは?

マンション管理組合が、管理会社に日常業務を委託するために支払う費用のことです。
主に以下のような業務が含まれます。

業務カテゴリ内容
事務管理業務総会・理事会の運営補助、議事録作成、通知文書の送付など
会計業務管理費・修繕積立金の収支管理、決算報告書の作成
建物・設備管理業務清掃、点検、軽微な修繕、管理員の配置など

このパッケージの料金が“管理委託業務費”なのです。


🔶 妥当な価格か? 実はその“仕組み”を知れば納得!


✅ 実は更新のたびにチェックされている!

ほとんどの管理委託契約は1年更新です。
つまり、管理会社と管理組合は毎年契約更新のタイミングで、費用や業務内容の確認・見直しを行うことができます。


✅ 値上げには「重要事項説明会」が必要

管理会社が業務費を改定(値上げ)しようとする場合、必ず“重要事項説明会”を実施しなければなりません。

📌 重要事項説明とは?

  • 管理会社の有資格者(管理業務主任者)が出席し、
  • 値上げ理由や契約内容の変更点を住民に説明
  • 管理組合の理解と承認を得る場

つまり、管理会社が勝手に費用を上げることはできない仕組みになっています。
このプロセス自体が、価格の“妥当性のフィルター”として機能しているのです。


✅ 値上げの背景には「人件費と物価の上昇」がある

特に札幌市では、冬季の除雪対応や設備の凍結対策など、寒冷地ならではの管理コストがかかります。
さらに近年は、最低賃金の上昇や物価高の影響で、管理員や清掃員の人件費が上がっていることも無視できません。

そのため、「去年と同じサービス内容だけど、今年は費用が上がる」というケースも、ある程度は合理的なのです。


🔷 「じゃあ高くても仕方ないの?」いいえ、“比較”と“チェック”は必要!


✅ 相見積もりを取ることも一つの方法

  • 他の管理会社から見積もりを取ってみる
  • 管理業務仕様書(委託内容)を統一して価格を比較
  • ただし、価格だけで選ぶのは危険!

業務の質やアフターフォロー、担当者の対応力など“見えない価値”も重要です。


✅ 管理会社の提案内容を見極めよう

  • 業務範囲が過剰だったり、逆に必要最低限しかない
  • 担当者が頻繁に変わって引継ぎが不十分
  • 緊急対応時のレスポンスが悪い

費用が“高い”か“安い”かを判断するには、金額だけでなく中身を精査することが大切です。


🔶 管理会社ではカバーできない「中立性」と「専門性」を持つ存在


ここで登場するのが、マンション管理士です。

✅ 管理会社との“適正な関係”を築くために

管理会社はマンションの大切なパートナーですが、あくまで営利企業。
契約金額や業者選定、修繕内容などについて、管理組合と利害が完全に一致するとは限りません。


✅ マンション管理士の役割とは?

支援内容説明
委託契約の内容チェック適正な業務内容と価格かどうかを中立に評価
他社見積もりの比較アドバイス条件をそろえて公平な比較ができるよう支援
管理仕様書の作成委託範囲を明文化し、あいまいさを排除
値上げ交渉時のサポート管理会社との交渉を円滑に進める橋渡し役

🔷 札幌市でこそ必要な“第三者の目”


札幌市では、次のような特有の事情があります。

  • 冬季の除雪や暖房設備など、管理が全国平均より複雑
  • 高齢化による理事のなり手不足
  • 古いマンションの増加で、修繕とのバランス調整が難しい

こうした状況では、理事会だけで委託契約の判断をするのは負担が大きすぎます。
中立かつ専門的な立場のマンション管理士を活用することで、無用なトラブルや費用の無駄を回避できます。


✅ まとめ:価格だけを見ず、“中身”と“プロセス”をチェック!


  • 管理委託業務費は、基本的には毎年の更新と説明責任があるため、妥当なことが多い
  • 値上げ時には、重要事項説明会の開催が必要
  • それでも不安なときは、相見積もりや契約内容の精査を
  • 中立的に評価し、住民に分かりやすく説明できるのが、マンション管理士
  • 特に札幌市では、地域特有の事情に対応できる専門家の助言が大きな助けに

📣 札幌市の管理組合・理事会の皆さまへ

「この委託費、本当に妥当なのかな?」
「管理会社の説明、イマイチ腑に落ちない…」

そんなときこそ、マンション管理士に相談してみてください。

価格だけでなく、契約の“質”と“仕組み”を見直すことで、住民の納得感と安心を得ることができます。


お金のことは、感情で判断してはいけません。
必要なのは、冷静で中立な“第三者の目”。

そしてその目が、あなたのマンションの将来を守ります。
札幌市でのマンション管理なら、マンション管理士が強い味方になります。